洋食大好き櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
人形町の芳味亭に行こうとしたら移転中だったというがっかりを超え、とうとう行って参りましたリニューアル芳味亭。
昭和8年から続く老舗洋食店が2018年12月移転
昭和8年、横浜のニューグランドホテルで洋食を学んだ近藤重晴は東京人形町に洋食屋芳味亭を開業いたしました。
洋食そのものが物珍しかった当時、数寄屋造りのお座敷でお箸で召し上がるスタイルが最先端の流行として御好評。粋でいなせな下町っこのさらには明治座の役者や俳優、花街の芸者等で賑わいを見せました。
ホテル仕込みの丁寧で確かな仕事から生み出される料理は何代にも渡って御愛好くださるお客様に支えられ、当代で5代目の老舗洋食店でございます。
土曜日の11時開店と同時に行ったら、先客1,2組で余裕でした。
ちなみに、移転前の店構え↓の方が好きかな・・・。
でも、店名が入った看板はそのまま持って来たんですね。
インテリアは独特の世界観!
入ってすぐのスペースは、小粋な小料理屋のような感じ。高級感もあります。
カウンター。ちょっと狭いのですが、それもまたいい感じです。
でも、ちょっと落ち着かないかな・・。
まだ空いていたので2階に案内されました。
広々と、ゆったりとした空間。
昭和とも大正ロマンとも違う、横浜のレトロハイカラな感じ?不思議なミックスインテリア。ヘリンボーンの床が素敵です。
窓も大きくて、明るく開放感があります。
天井が・・・ウィリアム・モリス?
独特の世界観です。
壁に、創業当初の人形町の写真や、以前のお店の写真などが飾られていました。
櫻田としてはこのイメージを維持して頂きたかったかな・・・こう、夏目漱石がいそうな感じ、「書生」とか出て来そうな、着物にパナマ帽のお金持ちが、女給と会話する感じ。
と、すぐに「昔の方が良かったな〜」と思ってしまうのは、年寄りの悪い癖ですね。
いざ、洋食弁当!2,700円
さて、心に決めていた洋食弁当。
移転後は一種類になったので、迷わなくてすみます。
ここのビーフスチュー(ビーフシチューではない)は絶品なので、単品にしてセットメニューもいいな・・前菜とか美味しそうだし・・・。
あぁ、でもこの小宇宙、洋食弁当がやっぱりいいと、二人とも同じ洋食弁当をオーダーしました。
ビールを飲みながら待つ、この時間も好き。
ということで、どん。
この、蓋を開ける時のワクワクもたまらないのよねぇ、バッハ君先に開けてるけど。
あうぅ・・・この佇まい、箱庭的小宇宙!
内容はこんな感じ。カニクリームかどうかは確かではない。
やっぱり圧倒的に美味しいのは、スチュー。
酸味は一切なし、尖ったところは一切なしの、まろやかな甘めのスチュー。
コクというか、旨味というか・・・とにかく美味しい。
ご飯に合います。
また、クリームコロッケがあまり好きではない櫻田に「コロッケ美味しい」と言わせ、バッハ君を「あれ?こずちゃんクリームコロッケだよこれ?どうしたの?」と言わせしめたクリームコロッケ。
いやー美味しい。
多分、柔らかすぎなかったのと、小さかったのと、味が濃かったからかな・・・なんか、完成されてました。
ちなみに、こちらが移転前の「上洋食弁当、2,400円」
それほど量も内容も変わっていないと感じました。
香味屋の洋食弁当と比較!芳味亭の洋食弁当の優位性とは
そういえば先日、入谷にある洋食の名店「香味屋」で洋食弁当を頂いたのですが、
バッハ君と、やっぱり洋食弁当は「芳味亭」だよね、でも、香味屋の洋食屋さんとしての味は間違いないのに、何故だろう?
あれですよ、これ、この交差する一体感。
ソースやら何やらいろいろ混ざってしまっているところが、また美味しいという、グラデーションでつなぐ味の連続性!
それが芳味亭の洋食弁当を、唯一無二の洋食弁当にしてるんですよっ←興奮している
分厚いハムがハランみたいな役割をしてますが、でもやっぱりフライゾーンに流れ込んでいたりして、ハムにもタルタルとデミグラスソースがどっちもついていて、コールスローもデミグラスソースがしみているゾーンと、フライの衣がついてるところと、ポテサラに接しているところがある。
それが、なんとも言えない味の一体感を生み出していて、「何なら一つずつコースで頂いた方がよくね?」ということを、一瞬たりとも思わせない、お弁当ならではの複雑系。
本に例えると、全然違う話を寄せ集めた短編集かと思いきや、途中から登場人物が微妙に交差してドキッとしたり、読み終わった時には、精巧に作られた長編を読んだような満足感に浸れる、みたいな満足感です、何それ。
香味屋の洋食弁当は、完全独立短編集だったんですよ・・・それはそれで一つずつ美味しいからいいんですけど、お弁当じゃなくてもいい。
あー理由が分かってすっきりした。
★
で、お吸い物はあさり。
上品な味わいで、濃厚なデミグラスソースをリセットしてくれます。
敷き詰められた白米。
パンにもできるそうですよ。
カトラリーは蜂のマークのライヨールです。
セミじゃないよ!
内装・外装はちょっぴり期待と違いましたが、何か主張を感じました。
なかなか個性的なテクスチャーのMIXですよね。
ハコはともかく、味は変わらず(特にスチュー)美味しくて安心したし、これからも永く続いて欲しい洋食の名店です。
今度は洋食弁当以外も食べてみたいな。
芳味亭 (洋食 / 人形町駅、水天宮前駅、浜町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.7